2. Vilma おばあちゃんと手打ちパスタ
- Kyoko
- 2022年10月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年12月23日
日曜日のお昼。
昨日に引き続き、Vilmaおばあちゃんの家を訪ねると、「今日は手打ちパスタだよ!」と、張り切って出迎えてくれた。
手打ちのパスタっていう響きがなんだかイタリアっぽいな、とワクワクしてしまう。
パスタ生地の材料は、0粉・デュラムセモリナ粉・全卵・塩・オリーブオイル。
0粉?セモリナ粉?
日本ではあまり馴染みのない粉たち。
0粉は小麦粉の種類。イタリアやヨーロッパの小麦粉は、灰分により、00・0・1・2というふうに分類される。(日本の小麦はタンパク質の含有量によって、薄力粉・中力粉・強力粉と分類される。)
デュラムセモリナ粉は、デュラム小麦(イタリア語でgranno duro)という硬い小麦を、粗挽きの粉(セモリナ粉 / イタリア語でsemolino)にしたもの。デュラム小麦は、地中海沿岸・北アフリカなどの高温・乾燥地域で栽培されている。

左が小麦粉、右がデュラムセモリナ粉
捏ねて、休ませて、捏ねて、休ませて、捏ねて、休ませて…

その作業を繰り返していくと、滑らかな生地になる。

そこから生地を伸ばして、乾かして、

パスタ作りはかなり重労働。ちょっと一休み。
少し乾燥した生地をパスタマシンに通すとtagliatelle(タリアテッレ/平打ち麺)がニョロニョロと出てくる。

生地が乾燥していないとパスタマシンに詰まり、生地が乾燥しすぎるとパスタマシンに通すことができない。
絶妙な乾かし加減が大事。
ちなみにパスタマシン、刃を入れ替えることで数種類のパスタを作ることができる。

一番左のギザギザのパスタはLasagnette。地方により呼び方が異なるらしい。
文章で書くと「なーんだ。簡単じゃん」という感じがするけれど、手打ちパスタが完成するまでにかかる時間はざっと2時間。
こんなに時間がかかるから、手打ちのパスタは週末にゆっくり作るもの。
やっぱり、忙しい平日に手打ちのパスタは作るのは難しい。
「でもね、今は手打ちのパスタを作る人はほとんどいないの。手打ちパスタを作るのは、おばあちゃんたちか、趣味でやっている人ぐらいかしら。」
日々の忙しさのためか、手間ひまをかけてパスタを作る人は減ってきているらしい。

イタリアの食事といえばパスタだから、イタリア人はみんな手打ちパスタを作ると思っていた。でも、よく考えると、日本人がうどんや蕎麦をよく食べるからと言って、みんな手打ちのうどんや蕎麦を作るわけじゃないよね。
時代に合わせて、古くから続いてきたものが、少しずつ消えていく。それは世界のどこでも同じこと。社会が変化すれば、消えていくものがあるのは当然のこと。
でも、パスタ生地をこねながらおしゃべりをする時間や、そうして出来上がった手打ちパスタの美味しさは、消えないで残ってほしいな。
(どんなお昼ごはんのパスタになったかは次回に続く...)




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